カフェオレ,カフェラテ,カプチーノのお話

珈琲店経営時に運営していたブログで,最もアクセス数の多かった記事がこの「カフェオレ,カフェラテ,カプチーノ」の違いに関する記事でした。ネットで検索してもいろいろな記事がヒットしますが,まず最初に認識しておかなければいけないのは,全部「ミルク入りコーヒー」の名称であるという点では違いがない!ということでしょう。時代によって「ミルク入りコーヒー」にも流行があって,フランス風ミルクコーヒー(カフェオレ)が流行することもあれば,イタリア風ミルクコーヒー(カフェラテ)が流行ることもある。。

 

でも,それだけじゃ元も子もないので,一応簡単な違いをまとめると,

 

◆カフェオレ(フランス風ミルクコーヒー)

 

ドリップ抽出したコーヒーとホットミルク(普通に温めたミルク)を(約1対1の割合で)注いだもの。

 

本来はコーヒーとミルクを別々のポットに入れ,温めた空のカップと一緒にサーブするのが正式。

 

最初からコーヒーとミルクをカップに入れてサーブするものは「カフェ・レ」と呼び,「カフェ・レ」のミルクを泡立てて(フォームドミルクとして)サーブするものを「カフェ・クレーム」と呼ぶ。

 

※ただし,最近ではメニューに「カフェ・クレーム」しか載せていない店も多いらしく,ミルク入りのコーヒーの総称として「カフェオレ」よりも「カフェ・クレーム」がメインになりつつあるらしい。また,今ではベースとなるコーヒーにエスプレッソ抽出したコーヒーを使う店も多く,「カフェ・クレーム」と後述の「イタリアンカプチーノ」の差は非常に曖昧になっている。

 

◆カフェラテ(イタリア風ミルクコーヒー:その1)

 

エスプレッソ抽出したコーヒーとスチームドミルク(蒸気で温めたミルク)を1対2の割合で注いだもの。※表面にフォームドミルクを少量トッピングするのが一般的。

 

◆カプチーノ(イタリア風ミルクコーヒー:その2)

 

語源はイタリア修道僧が被っていた頭巾「カプッチョ」(フォームドミルクを乗せた形状が似ているから) エスプレッソ,スチームドミルク,フォームドミルクを1対1対1の割合で注いだもの。

 

※カフェラテとの違いはスチームドミルクとフォームドミルクの割合(カプチーノの方がフォームドミルクの割合が多い)

 

本場イタリアではココアパウダーを振りかけることはあっても,シナモンパウダーを振ることはまずないらしい。 シナモンを添えるのはアメリカで流行した飲み方で,日本に以前からある喫茶店の「カプチーノ」は,このアメリカ式のスタイルを模したもの。しかもエスプレッソマシーンが普及していなかったために,フォームドミルクの代わりにホイップクリームを使用。(シナモンスティックを添えるだけでなくシナモンパウダーを振りかけるのは,同じホイップクリームを乗せる「ウインナーコーヒー」との差別化のためだったという説もある)

 

※日本でもエスプレッソが普及してきたため,最近では区別のために前者のカプチーノを「イタリアンカプチーノ」,後者を「アメリカンカプチーノ」と呼んでいる店も多い ちなみに,フランスにおける「カフェ・クレーム」も,イタリアにおける「カプチーノ」も本場ではともに原則として「朝限定の飲み物」であって,ランチやディナーの後にオーダーするのはスマートな振る舞いではないらしいです。本場をご旅行の際にはご注意ください。

 

とまあ,こんな感じでしょうか? つまり,誤解を恐れずに簡略化すると,

 

・ドリップしたコーヒーとホットミルクを使うのがカフェオレ

・エスプレッソマシーンを使用し,エスプレッソとスチームドミルクを使うのがカフェラテ

・カフェラテにおいて,フォームドミルクの割合を多くしたものがカプチーノ  

 

 ※日本ではこのカプチーノのほかに,フォームドミルクの代わりにホイップクリームを使い,

  シナモンを添えた「アメリカンカプチーノ」もあるので混同しないように注意

 

ってことですかね?